2023年2月13日開催、第9回あはき柔の広告に関する検討会の解説

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2023-03-01

2019年11月に第8回目が開催された「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」について、
第9回の検討会が2023年2月13日(月)に東京都千代田区の主婦会館プラザエフにて開催されました。当初の予定より大幅に遅れ、実に約3年ぶりの再開となっています。

本検討会は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復等の広告について、
社会保障審議会医療保険部会「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」「柔道整復療養費検討専門委員会」において
適正化を行うべきとの指摘があったこと、また医療広告ガイドラインについて見直しが行われたこと等を踏まえ、
国民に対するあはき柔整等の情報提供内容のあり方について検討を行う目的で行われています。

今回の議題は「施術所の名称等について」とされており、前回の第8回で厚労省が提示した広告ガイドライン案で煮詰まっていなかった部分について議論が再開されています。
詳細な資料は厚生労働省のホームページで確認できますが、今回の検討会の構成員は下記の通りとなっています。

石川 英樹 公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会 副会長
磯部 哲  慶應義塾大学大学院法務研究科 教授
加護 剛  奈良県橿原市財務部 部長
釜萢 敏  公益社団法人日本医師会 常任理事
木川 和広 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士
坂本 歩  学校法人呉竹学園 理事長(公益社団法人東洋療法学校協会 理事)
竹下 義樹 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 会長
豊嶋 良一 公益社団法人日本柔道整復師会 理事
福島 統  東京慈恵会医科大学 特命教授
前田 和彦 九州保健福祉大学 教授
南 治成  公益社団法人日本鍼灸師会 副会長
三宅 泰介 健康保険組合連合会 政策部長
山口 育子  認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長
                                  (五十音順、敬称略)


今回の検討会では主に名称について話し合われ、柔道整復においては「整骨院」の文言を施術所名称として使用することを不可にする案が大筋で合意されたようです。
こちらは今後広告ガイドラインに盛り込まれる予定で、施行されれば新規の施術所は名称に「整骨院」を使えなくなります。
また現在「整骨院」を使用している施術所も、移転等の手続きの際に施術所名の変更を求められることになる方針です。
これは現行の法令上、名称として使用できるのが「ほねつぎ又は接骨」となっており、「整骨院」はそもそも認められていない、というのが主な理由です。

「整骨院」の名称は、柔整施術所全体の6割を超えているとも言われており、一般的な感覚からすると法律を改正して「整骨院」の名称を使えるようにする
が時代に合った対応だと個人的には思いますが、当検討会の構成員には日本医師会の理事も含まれており、整形外科で使用している「整」の字を認めないということは譲れない点であったのだろうと想像します。
実際にその他の構成員からもほとんど反対意見は出ず、合意に至ったようです。

一方、あはきにおいては「業態名+治療院」(例:○○鍼灸治療院、○○あん摩マッサージ治療院)を施術所名称として認める案が大筋で合意されたようです。
こちらは過去の疑義照会等で度々示されてきた経緯があり、柔道整復の「整骨院」と違ってあはき法等に抵触しない、というのが理由で
、業態名+治療院に限り「治療」という言葉の使用を認める方向性で話が進んでいます。

前回示されていた広告ガイドラインに上記のような議論の内容を加えた修正案が、今後数か月程度で再度厚労省から示される予定とのことです。
厚労省としては、早ければ今年度中に本ガイドラインの完成・施行をしたいと考えているのではないかと思われます。

今回の検討会の行く末は、全ての施術者にとって非常に重要です。
今後は名称のみならず、広告の手法などについても議論し決定されることになっていくでしょう。
ガイドラインが示された後はその取締りが一層強化されるでしょうし、広告事項に関する取り決めとなると、話は療養費だけに限定されないため、より多くの施術所に影響を与えるでしょう。

今回当コラムに書ききれなかった内容もありますし、会員の皆様が今から準備すべきことは何なのか、今後直接お伝えする機会を用意したいと思っています。