電子データを保存する際には、「真実性の確保」と「可視性の確保」といった保存要件を満たしていなければなりません。紙の書類をデータ保存する場合は、スキャナ保存要件を満たして保存する必要があります。
〇真実性の確保
保存されたデータが改ざんされないようにすることです。以下のいずれかの措置を行うことが必要です。
①タイムスタンプが付与されているデータを受領する
②取引情報の受領後、速やかにタイムスタンプを付与するとともに、保存の実行者または監視者に関する情報を確認できる環境を整える
➂訂正や削除の記録が残るシステムか、訂正や削除ができないシステムを使う
④訂正や削除の防止に関する事務処理規定を策定し、運用、備え付ける
①は取引先、②は自社にタイムスタンプが付与できるシステム導入が必要なため、現実的ではないでしょう。➂もシステム導入が必要なうえ、データの保存だけではなく、データのやり取りもシステム内で行う必要がありますので、近々の導入・運用は厳しい先生方もおられると思います。
現実的なのは、④の事務処理規定を整備する対策です。国税庁のホームページから雛形をダウンロードすることができますので、参考にしながら、自社で電子データの取り扱いについての規程(ファイル名の付与、は索引簿の作成等)を作成しておきます。
〇可視性の確保
保存されたデータを検索・表示できるようにすることです。以下のすべてを満たす必要があります。
①システム概要を記した書類の備え付け(自社開発のプログラムを使用する場合のみ)
②見読可能装置の備え付け(パソコンやディスプレイ、プリンター等)
➂検索機能の確保
①は接骨院に該当しない場合が多いでしょう。②も、すでにパソコンなどの見読可能装置が備え付けられていると思いますので、➂の対応が必要となります。
検索機能の確保は、「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できる状態にしておく必要があります。機能検索の確保の要件を満たした専用ソフトで機能を備える方法もありますが、低コストで取り組めるのは以下の2つの方法です。
・ファイル名に規則をつける
ファイル名を「日付_取引先_金額」として保存し、フォルダの検索機能が使えるようにする
(例:「20240130_アトラグループ株式会社_55,000」)
・Excel等で索引簿を作成し、ファイル名に記載した番号で検索できるようにしておく。
※国税庁のサイトに「索引簿の作成例」が掲載されていますので、活用されるのをお勧めします。