今年も残すところあとわずかとなりました。
この時期、特にご高齢の患者さまに気を付けていただきたいのが、餅の窒息事故です。
年末年始は、ご家庭で餅を食べる機会が多くなりますよね。しかし、高齢になると噛む力や飲み込む力が弱くなりますので、餅のような粘り気のある食べ物はのどに詰まらせてしまう危険性があります。
消費者庁が2018~2019年の餅による高齢者の死亡事故の詳細を分析したところ、2018年で363人、2019年で298人の、計661人でした。事故発生月は、1月に282件と43%を占めており、正月三が日で127件、うち元日は67件であり、餅を食べる機会が多い1月、特に正月三が日に死亡事故が多いことが分かります。また、男性の死亡者数は女性の2.6倍も多いそうです。
窒息の危険を回避するためには、餅は食べやすい大きさに小さく切る、餅を食べる前にお茶や汁物などを飲んで喉を潤しておく、ゆっくり噛んで飲み込む等をしていただきましょう。ただし、餅がうまく飲み込めないときは、飲み物で無理やり流し込もうとするのは危険なので行ってはいけません。
もし万が一、のどに餅を詰まらせてしまった場合は、
・咳をすることが可能であれば、できるかぎり咳をさせる。
・声が出せない、席ができない場合は、喉に詰まった餅の除去を行う(気道異物除去)。
〇気道異物除去
背部叩打法・・・手のひらの付け根部分で左右の肩甲骨の中間あたりを、数回以上力強く叩きます。
腹部突き上げ法(ハイムリック法)・・・相手の上腹部を手前上方に強く突き上げる。
※腹部突き上げ法は、乳児、妊婦、高度肥満の方には禁止。
接骨院に通院される患者さまは、ご高齢の方も多くいらっしゃると思います。年明けにまた来院していただくためにも、患者さまへの注意喚起をお願いしたいと思います。
年末年始、餅による窒息事故に御注意ください! | 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_046/