前回まで、さまざまな施術者の採用方法をご紹介してきましたが、今回は少し別方向からのアプローチをご紹介します。
〇臨床実習
柔道整復師養成施設に通うと、「臨床実習」にて徒手技術や患者対応の基礎を身に付けます。先生方も学生時代に受けられましたよね。臨床実習では、柔道整復師としての一連の仕事の流れを学びます。患者対応の仕方、記録や報告の仕方、医療機器の使い方、患者様やスタッフとのやりとりに必要なコミュニケーション能力や社会人や医療人としてのマナー・態度など、現場ならではの経験を積む機会となります。
この臨床実習は、学内(付属施術所)にて行われていましたが、2018年3月31日付けで、柔道整復師学校養成施設指定規則の一部改正がされたことにより、養成施設附属以外の施術所でも臨床実習を受け入れられるようになりました。そのため、学生は外部の接骨院や医療機関に赴き、指導を受けながら現場で技術を学ぶことになります。
接骨院にとっては、未来の柔道整復師と接することができ、先生方の接骨院について深く知っていただく機会でもあります。実習指導・監督を行う中で、学生と上手くコミュニケーションを取ることができていれば、卒業後に就職を希望する学生が出てくる可能性もあるでしょう。
〇柔道整復の実習施設要件
臨床実習施設については、学校養成施設附属の臨床実習施設、柔道整復を行う施術所を基本として、整形外科や救急医療を行っている医療機関、スキー場等における救護所等のスポーツ施設及び機能訓練指導員を配置している介護施設等が該当します(※機能訓練指導員を配置している介護施設等で行う臨床実習については1単位を超えない範囲となります)。また、臨床実習施設としての認定を受けるには、以下の要件を満たし、柔道整復師臨床実習指導者講習会を受け、臨床実習指導者になる必要があります。
① 臨床実習における到達目標が設定されており、これに沿って実習が実施できること。
② 5年以上の開業経験があること。
③ 教員の資格を有する柔道整復師、又は5年以上実務に従事した後に厚生労働省の定める基準に合った「柔道整復師臨床実習指導者講習会」を修了した柔道整復師である臨床実習指導者が配置されていること。
④ 過去1年間の施術日の平均受診者数が20名以上であること。
⑤ 臨床実習の実施に関し必要な施設及び設備を利用することができること。
⑥ 過去も含め療養費申請資格停止等の行政処分を受けていないこと。
⑦ 臨床実習を行うに当たり、患者に対して臨床実習を行うことを文書により同意を得ること。なお、学校養成施設附属の臨床実習施設以外の柔道整復を行う施術所等において臨床実習を行おうとする学校養成施設は、あらかじめ行政庁に対して届け出ることとする。(変更になった場合も同様とする。)
臨床実習施設と認定されるにはクリアすべき要件が多く、患者さまの同意も必要となります。しかし、認定が受けられる=質の高い施術所である証拠でもあると考えられます。実習で受け入れた学生だけでなく、活用している求人サイト等でもアピールポイントにもなるかもしれません。
アトラ請求サービス会員様向けに提供している柔道整復師、はり師・きゅう師、あん摩・マッサージ指圧師専門の求人検索サイト〈アトリク〉でも、求職者へのアピールポイントとして情報掲載していただければと思います。
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ご興味がある先生方は、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
柔道整復師学校養成施設指定規則等改正(概要):厚生労働省