第29回柔整・第32回 あはき療養費検討専門委員会情報はこちら!!

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2024-06-03

令和6年4月26日(金)に「第29回柔道整復療養費検討専門委員会」、「第32回あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費
検討専門委員会」の両委員会が開催されました。
こちらの議論を受けて、令和6年度(2024年度)の療養費改定内容が決定しておりますのでその内容と見解について皆様に共有いたします。

柔道整復療養費の改定率については、診療報酬のうち医科の改定率等を踏まえ、政府において以下のように決定されています。

1.改定率 +0.26%
・令和6年度における柔道整復療養費の改定率については、診療報酬のうち医科の改定率等を踏まえ、政府において決定
(参考)今回の診療報酬改定における医科の改定率+0.52%

2.改定の内容
○明細書交付義務化対象施術所の範囲拡大※
明細書発行体制加算 13円→10円(-3円)

○電療料、初検料の引上げ
電療料 30円→33円(+3円)
初検料 1520円→1,550円(+30円)

○長期・頻回受療に係る料金適正化※
5ヶ月超の長期 80%逓減→75%逓減(-5%)
 5ヶ月超の長期かつ1月当たり10回以上の頻回 80%逓減→50%逓減(-30%)

3.施行期日
  令和6年6月1日
(※は令和6年10月1日)

前回2年前の令和4年度改定の大きな目玉であった明細書発行体制加算の新設に伴い、明細書発行機能が付与されているレセコンを使用している施術所であって、常勤職員(柔道整復師に限らず、事務職員等も含む。)が3人以上である施術所においては、明細書の無償交付が義務付けられることとなりました。
今回の改定ではこの「常勤職員が3人以上である施術所」の要件が撤廃され、手書きで療養費支給申請書を作成しておられるような特殊な例を除き、事実上の完全義務化となります。

A-COMSをご利用いただいている皆様については、本年10月より、現在交付いただいている領収書に加えて、明細書についても原則毎回無償交付が必要となりますのでご留意いただければと思います。

また、これまでは明細書発行体制加算を算定するためには厚生局に届け出が必要でしたが、10月より無償交付義務化対象
施術所「以外の」施術所に届出の必要があります。
つまり厚生局への届け出については「現行と全く逆」になりますので、会員の皆様は何も手続きする必要なく、10月から
明細書の無償交付を行った患者1人あたり10円の算定が可能になります。

なお、現状A-COMSにおいては領収書に加えて明細書も印刷発行することが出来ますが、「レジ機能」を活用いただければ「領収書兼明細書」という形でより簡単に発行できるようになりますので、受付業務を簡素化されたい会員様については
ぜひご検討ください。

レジ機能については、下記ページより製品を購入いただければ月額費用など追加することなくご利用が可能となります。
https://www.artra-store.com/products/detail/id/27294/

続いて長期・頻回受療に係る料金適正化について、逓減率の引き下げはすでに記載の通りですが、今回はもう1点重要な変更があります。
それは現行の患者ごとに償還払いに変更できる事例4類型に「長期かつ頻回な施術を継続して受けている患者(初検日から5ヶ月を超えて、かつ、1月あたり10回以上の施術を継続して受けている患者)」を加える、というものです。

すなわち今回の長期・頻回受療に係る料金適正化において、後療料、温罨法料、冷罨法料及び電療料が、所定料金の100分の50に相当する額により算定される患者については、本年10月より保険者がしかるべき手続きを踏むことで患者ごとの償還払いに変更できる、ということです。

そして患者ごとに償還払いに変更できる事例として、長期かつ頻回な施術を継続して受けている患者を追加したことに
伴い、いわゆる「部位転がし」が疑われる事例について、調査・分析及び必要な対応のあり方に係る検討を進めること、
とされています。

部位転がしについては、すでに各都道府県の柔整審査会より、疑義のある施術所に対して留意事項通知が届き始めている
ようです。
このタイミングで「部位転がし」について、次回6月12日(水)21時より、毎月会員限定で開催しているWEBセミナー、アトラ情報ステーションにてその定義等、詳細をお伝えする予定です。
会員の皆様にはメールにて参加フォームを送付していますので、ぜひご参加ください。コメントや顔出しは一切不要、無料でご参加いただけます。

あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定率についても、柔道整復と同様に、診療報酬のうち医科の改定率等を
踏まえ、政府において以下のように決定されています。

1.改定率 +0.26%
・令和6年度におけるあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定率については、診療報酬のうち医科の改定率等を
踏まえ、政府において決定
(参考)今回の診療報酬改定における医科の改定率+0.52%

2.改定の内容
〇往療料の距離加算の廃止※
 往療料 2,300円(4㎞超2,550円)→2,300円(突発的な往療)

〇離島や中山間地等の地域に係る加算の創設※
 施術料 特別地域加算1回につき(新設)0円→250円

〇施術料、電療料等の引き上げ
【あん摩マッサージ指圧】
1局所につき 350円→450円(+100円)
温罨法を併施1回につき 125円→180円(+55円)
温罨法を併施+電気光線器具使用1回につき 160円→300円(+140円)
変形徒手矯正術1肢1回につき 450円加算→470円加算(+20円)
【はり・きゅう】
初検料(1術)  1,780円→1,950円(+170円)
初検料(2術)  1,860円→2,230円(+370円)
1術1回につき 1,550円→1,610円(+60円)
2術1回につき 1,610円→1,770円(+160円)
電療料 34円→100円(+66円)

〇訪問施術料の創設※
【あん摩マッサージ指圧】
(訪問施術料1)同一日・同一建物で施術を行った患者数が「1人」
1局所2,750円 2局所3,200円 3局所 3,650円 4局所4,100円 5局所4,550円
(訪問施術料2)同一日・同一建物で施術を行った患者数が「2人」
1局所1,600円 2局所2,050円 3局所2,500円 4局所2,950円 5局所3,400円
(訪問施術料3)同一日・同一建物で施術を行った患者数が「3人~9人」
1局所 910円 2局所1,360円 3局所1,810円 4局所2,260円 5局所2,710円
 同一日・同一建物で施術を行った患者数が「10人以上」
1局所 600円 2局所1,050円 3局所1,500円 4局所1,950円 5局所2,400円
【はり・きゅう】
(訪問施術料1)同一日・同一建物で施術を行った患者数が「1人」
1術1回につき 3,910円  2術1回につき 4,070円
(訪問施術料2)同一日・同一建物で施術を行った患者数が「2人」
1術1回につき 2,760円  2術1回につき 2,920円
(訪問施術料3)同一日・同一建物で施術を行った患者数が「3人~9人」
1術1回につき 2,070円  2術1回につき 2,230円
 同一日・同一建物で施術を行った患者数が「10人以上」
1術1回につき 1,760円  2術1回につき 1,920円

3.施行期日
  令和6年6月1日
(※は令和6年10月1日)

あはき療養費の請求においては、往療料が大部分を占めていることから、これまでも施術料金をアップし、往療料をダウンさせる方向性で改定がなされてきました。
また、あはきで設けられている距離加算については、医科では過去に廃止になっており、訪問看護ではそもそも設けられていません。

このような現状や現在の交通事情を踏まえて、あはきの距離加算も改定ごとに縮小しており、今回の改定では、この距離加算(4km超の区分)自体が廃止されました。
そしてこの距離加算廃止の影響に配慮し、離島や中山間地等の地域における施術体制を確保し、患者が必要な施術を受けられるようにする観点から、離島や中山間地等の地域に係る施術料の加算である「特別地域加算」が新設されています。

さらにあはきの往療料は、これまで医科の訪問診療料に近い形で運用されており、医科で言う緊急の場合の往診料とは違った算定項目となっていました。
今回の往療料の見直しに際して、緊急の場合の「往療料」と定期的ないし計画的に行う場合の「訪問施術料」に整理され、その上で施術料と訪問料を包括した1回あたりの新たな料金体系「訪問施術料」として訪問施術制度が導入されています。

また、これまで同一日・同一建物で施術を行った場合の往療料は、初めに施術を行った1人分のみ算定でき、その患者が全ての往療料を負担している現状にありました。
今回の訪問施術料の導入に当たり、同一日・同一建物の施術でも往療料の負担が1人の患者に寄らないものとして、1人あたりの料金として設定されるに至っています。
今回の区分けでは訪問施術料としては3区分ですが、実質は1人の場合、2人の場合、3~9人の場合、10人以上の場合と4パターンに分かれています。

1人の場合の訪問施術料金については、今回アップした施術料金に単純に2,300円を加えた金額となっており、2人の場合の訪問施術料金についても単純に2,300円を2人で按分した金額を施術料金に加えただけです。
したがって同一日同一建物への訪問施術が2人までの場合、施術所にとってはこれまでの算定料金と変わらない形で運営できるでしょう。

逆に3~9人の場合の訪問施術料金については、2,300円を5人で按分した金額で計算されているため、5人以上施術しない
場合は実質マイナスになる計算です。
同様に10人以上の場合の訪問施術料金は、15人以上施術しなければ実質マイナスになる計算です。

あはきの状況をまとめると、6月からはどの施術所も一旦大幅なプラスになりますが、10月からは居宅中心に訪問施術を行っている施術所はプラスを維持することができ、施設やマンション中心に訪問施術を行っている施術所については、人数によっては大きなマイナスになる可能性も出てくるでしょう。
その場合は同一建物で施術を受けていただける患者様を増やすなどの経営努力が必要になりますね。

往療料が大半を占めているあはき療養費において、今回訪問施術料金が新設されたことで、今後の料金改定でこの部分を下げることによりいとも簡単に療養費の総額を下げることが出来るようになりました。
柔整あはき両方に言えることですが、目先の料金改定にとらわれることなく、地域の患者様に喜んでいただきながら持続可能な経営が行えるよう、日々情報の更新を行っていきましょう。

我々アトラ請求サービスも、微力ながら会員の皆様のお力になれるよう、伴走させていただければと考えています。