野中腰痛クリニック、青山レナセルクリニックとの提携に続き、新たに兵庫県姫路市の「あさくらデンタルクリニック」との提携が決定しました。これにより、私たちの「最先端医療連携モデル」は整形外科領域・内科的慢性疾患領域に加え、
口腔機能を中心とした歯科領域へと広がりを見せることになります。
あさくらデンタルクリニックは、デンタルリメディアルセラピー研究会(https://www.dental-remedial-therapy.com/)の
講師も務める朝倉祐樹先生が運営する歯科医院です。
同クリニックは令和7年に開院した新しい歯科医院で、沖縄を連想させるような暖かな雰囲気の診療室が特徴です。
来院する患者が安心して診療を受けられる環境づくりを大切にしながら、顎関節症や食いしばり、噛み合わせが原因となる頭痛などに対し、歯科治療と整体を組み合わせた独自のアプローチを行っています。
朝倉先生は、長年にわたり病院歯科で有病者や高齢患者の治療に携わってこられた豊富な経験を持ち、身体が不自由な方や高齢者でも安心して受診できる体制を整えています。
また、ご自宅や施設への訪問歯科診療にも対応しており、地域に根ざした柔軟な医療提供を実践しています。朝倉先生が
講師を務めるデンタルリメディアルセラピー研究会は、口腔と全身のつながりに焦点を当てたユニークな取り組みです。
口腔は「食事」「嚥下」「呼吸」「発声」といった生命維持に欠かせない機能を持つだけでなく、顔貌や姿勢、運動機能にも大きな影響を及ぼします。特に近年では、歯並びやかみ合わせ、顎の歪みが原因で生じる「顎関節症」「頭痛」「肩こり」「腰痛」「不眠」など、咬合関連症候群への関心が高まっています。
こうした症状の多くは原因がはっきりせず、病院や施術所を訪ねても改善が得られず、行き場を失った患者が歯科治療を
受けたことで症状が改善するケースが少なくありません。
しかし、歯科医学教育では咬合関連症候群への体系的な学びが不足しており、またセラピストも歯科的知識を持たないため、互いに対応が難しい現状があります。研究会は、この専門性の溝を埋め、歯科医師や歯科衛生士と、骨格調整を担う
セラピストが協力して咬合関連症候群に取り組める人材を育成することを目的に設立されました。
歯科領域は、柔道整復や鍼灸との連携に大きな可能性をもたらします。
たとえば、顎関節や咬合の不調は、頭痛・肩こり・腰痛・不眠といった全身症状に波及することが少なくありません。
これまでは原因が特定しづらく、施術所での対応が限られていたケースも、歯科領域の評価・治療と組み合わせることで、より根本的な改善が期待できます。
さらに、咀嚼や嚥下機能の低下は姿勢や歩行能力にも影響を与えるため、歯科と施術所が情報を共有し合えば、患者の全身的な健康維持・転倒予防・リハビリテーションに至るまで、一体的なケアの提供が可能となります。
未来を見据えると、歯科と柔道整復・鍼灸が手を取り合うことで「口腔から全身へ」「施術から生活の質へ」とつながる
包括的な医療・施術モデルが生まれていくでしょう。
特に高齢社会が進む中で、口腔機能低下や咀嚼障害はサルコペニアやフレイルの進行と密接に関わっています。
歯科医療と施術が連携することによって、単に痛みを取るだけでなく、患者の健康寿命延伸という社会的課題に応える力を持つのです。
私たちアトラグループは、この提携を通じて「歯科と施術の狭間にある未解決の課題」に取り組みたいと考えています。
単なる紹介にとどまらず、臨床情報の循環や共同の学びを通じて、現場での施術を進化させる「循環型支援モデル」の構築をさらに広げてまいります。
療養費制度が厳しさを増す今、施術の正当性を医学的に裏づけることが求められています。
顎関節症や咬合由来の全身症状を歯科と連携して説明できるようになることは、施術の信頼性を高めるとともに、新たな
臨床的リテラシーを会員の先生方に提供するものと確信しています。
今回の提携が、皆さまの臨床に新しい可能性をもたらすことを願っております。