「リン」の摂りすぎは腎臓の負担に?人工透析のリスクも!

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2025-10-08

ミネラルの一種である「リン」は、私たちの骨や歯を丈夫にしたり、エネルギーを作ったり、様々な生命活動に関わる重要な栄養素です。そんなリンですが、実は「有機リン」と「無機リン」の2種類があることをご存知でしょうか?今回は、意外と知られていないリンついて詳しく解説いたします。

〇有機リンと無機リンってなに?
リンは、食品に含まれる「有機リン」と、食品添加物として使われる「無機リン」の2種類に分けられ、この2つには大きな違いがあります。
有機リンは、肉や魚、大豆、穀類など、私たちが普段口にする食材にもともと含まれているリンです。有機リンの腸からの吸収率は約40〜60%と言われています。
一方、無機リンは、ハムやソーセージ、チーズ、インスタント食品など、加工食品に多く含まれています。無機リンは、腸からの吸収率が約90〜100%と、非常に吸収率が高いのが特徴です。

〇吸収率と健康への影響
有機リンは必要な量を摂取しても、過剰摂取になる心配は少ないと言われていますが、無機リンは吸収率が高いので、いつの間にかリンを過剰摂取していた・・・ということが起きかねません。リンを過剰に摂取すると、血液中のリン濃度が上昇し、様々な健康リスクを高めてしまいます。

特に、腎臓はリンの排出を担う重要な臓器なので、過剰なリン摂取は腎臓にとって大きな負担となります。腎臓の機能が低下すると、リンを適切に排出できなくなり、高リン血症を引き起こす可能性があります。高リン血症は、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めるだけでなく、腎臓自体をさらに悪化させる原因にもなります。

腎臓の機能が著しく低下し、高リン血症が改善しない場合、人工透析が必要になるかもしれません。人工透析は、血液中の老廃物や過剰なリンを取り除く治療法ですが、患者さんにとって大きな負担となることも事実です。また、人工透析を受けている方は、リンの摂取量を厳しく制限する必要があります。

〇どんな食品に多く含まれているのか
・有機リン
肉類/魚介類/卵類/乳製品/大豆製品/穀類/野菜/果物等

・無機リン
ハム/ソーセージ/チーズ/インスタントラーメン/レトルト食品/スナック菓子/清涼飲料水/その他加工食品等
※食品添加物は一括名で記載されていることが多く、リンではなく「ph調整剤」「乳化剤」「膨張剤」「かんすい」等という表記になっていることが多いと思われます。

〇賢いリンの摂り方
リンは、私たちの体にとって必要な栄養素ですが、過剰摂取は腎臓に大きなダメージを与える可能性があります。日頃から加工食品を控え、素材そのものを調理した食事を積極的に摂る・食品表示に添加物が含まれていないか確認する・バランスの取れた食生活を心がけることで、リンを適切に摂取でき、腎臓を守ることにもつながると思います。

先生方の接骨院に来院される患者さまの中にも、腎臓に不安を抱えていらっしゃるかもしれません。患者さまが健康的な食生活を送れるよう、先生方からの適切なアドバイスをお願いできればと思います。