
今回は、医療保険制度を巡る今後の大きな動きと、これからの時代に求められる院のあり方についてお話しさせていただきます。
2027年3月より、医療機関で処方される「OTC類似薬」の自己負担を見直す仕組みが開始される予定となっています。
OTC類似薬とは、OTC医薬品、いわゆるドラッグストアなどで購入できる市販薬と、成分や効能などが近い医療用医薬品のことです。
今回の制度では、まず77成分・約1,100品目が対象とされ、対象となる薬剤については、薬剤費の4分の1を特別の料金として患者様に負担していただく仕組みが導入される予定です。
これは、医療保険制度の持続可能性を確保する観点から、OTC医薬品で対応できる症状についてセルフメディケーションを進めていくことが背景にあります。
こうした制度改定からもわかる通り、医療費を取り巻く環境は大きく変化しています。
今後は医療機関で治療を受けることにとどまらず、患者様一人ひとりが自身の健康状態を理解し、日々の生活の中で健康を管理していく「セルフケア」の重要性が、これまで以上に高まっていくでしょう。
では、セルフケアの本質とは何でしょうか。
それは決して特別なことではなく、日々の「睡眠」「食事」「運動」といった基本的な生活習慣を適切に整えることにあります。毎日の睡眠を確保し、食生活を見直し、適度に身体を動かす。こうした積み重ねこそが、健康な身体を維持するための土台になります。そして、この土台を整えていくことは、単に病気を予防するだけではなく、体力や身体機能を維持し、いつまでも若々しく活動できる身体づくり、ひいては「若返り」にもつながっていきます。
ここで、これからの接骨院・鍼灸院に求められる役割について考えてみたいと思います。
これまで施術所では「痛みを取る」、「不調を改善する」ということが大きな役割でした。
しかし、患者様の健康に対する意識が高まり、医療を取り巻く環境も変化する中で、これからは単に「症状が出てから対応する場所」ではなく、「症状が出にくい身体を一緒につくっていく場所」へと、その役割を広げていくことが重要になってくるのではないでしょうか。
患者様が痛みや不調を改善し、いつまでも若々しく健康的な生活を送れるようにするためには、施術だけでなく、日常生活そのものに目を向ける必要があります。
睡眠は十分に取れているのか、不足している栄養素はないのか、日常的に正しく身体を動かしているのか。
そうした生活習慣について患者様と一緒に考え、具体的な行動につなげていくことが、これからの施術所に求められる姿勢です。
そして、ここで重要になるのが「院に通う理由を増やす」という考え方です。
患者様が痛みを感じたときだけ来院する関係では、症状が改善すれば来院する必要もなくなります。
しかし、健康状態を維持するための正しい運動や身体のチェック、生活習慣の改善などを継続的にサポートすることができれば、患者様と院との接点は、施術が必要な期間だけに限定されません。
「痛いから来院する」のではなく、「健康を維持したいから来院する」。
「症状があるから施術を受ける」のではなく、「将来も元気に生活するために身体を整える」。
このような関係を築くことができれば、患者様にとっても院に通う意味がより明確になり、結果として納得感のある継続通院にもつながっていきます。もちろん、これを実現するためには、先生方自身が正しい知識を身につけ、患者様に分かりやすく伝えられることが重要です。
単に「運動しましょう」「食事に気をつけましょう」と伝えるだけでは、なかなか日々の行動にはつながりません。
何を、どのくらい、どのような方法で行うのか、そして、それを続けることで身体にどのような変化が期待できるのか。
こうした具体的な情報を提供し、患者様が実践できるところまで伴走することが、これからの健康支援に求められる役割ではないでしょうか。
私どもアトラグループでは、こうした時代の変化を踏まえ、施術所が地域の健康づくりを支える存在へと進化していくための情報や仕組みを、今後も積極的に提供してまいります。
先日開催された「アトライノベーションラボ2026 in TOKYO」でも、こうした新しい院経営の考え方や、患者様との関係性を深めるためのさまざまな取り組みが紹介されました。
おかげさまで当日は満員御礼となり、多くの先生方にご参加いただくことができました。たくさんのご参加をいただけたこと、改めて心より感謝申し上げます。
当日の熱気あふれるイベントの様子や、そこで紹介された最新情報については、後日改めて会員の皆様にもご報告させていただく予定です。
医療保険制度を取り巻く環境が変化する今だからこそ、私たちの施術所もまた、その役割を進化させていく必要があります。制度への適切な対応を進めることはもちろん、その先にある「患者様から真に必要とされる院とは何か」を考えることが、これからの院経営を考える上で重要になってくるでしょう。
時代の変化を単なる負担や逆風として捉えるのではなく、患者様との新しい関係を築き、院の価値をさらに高めていくチャンスと捉えていきましょう。
アトラ請求サービスでは、会員の先生方がこれからの時代においても地域から必要とされ、永く発展できる院づくりを実現できるよう、引き続き全力でサポートしてまいります。
何かお困りごとやご相談がございましたら、いつでもアトラ請求サービスまでお気軽にお声がけください。