2017年9月に厚生労働省 保険局医療課より発出された『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について(保発0904 第2号)』により、全国健康保険協会都道府県支部(以下「協会けんぽ」)と都道府県国民健康保険団体連合会(以下「国保連」)に設置される柔道整復療養費審査委員会(以下「柔整審査会」)において、療養費支給申請書(レセプト)(以下「申請書」)の審査にあたり、必要と認める場合は開設者、施術管理者及び勤務する柔道整復師から報告等を徴することができることとされて、いわゆる面接確認がスタートしました。
また2018年12月に同省同課より『柔整審査会における柔道整復師への面接確認について(事務連絡)』が発出され、そこには具体的な取り扱いの例が示されることとなりました。この面接確認は、柔整審査会が審査業務の一環として実施するものであり、地方厚生(支)局及び都道府県が行う指導監査業務とは異なるものですが、いずれにせよ施術者にとって歓迎すべきものではありません。
制度開始から実に4年余りが経過し、当初は実施に慎重であった柔整審査会においても、現在ではかなりの数が実施されている状況のなかで、施術所によっては「実際に面接確認に呼び出された」というお声も耳にします。今回はこの面接確認について、その傾向と対策をお話ししていきます。
皆さんのもとにも国保連や、協会けんぽから「留意事項通知書」等の注意喚起文章が届いたことがあるかもしれません。これらの多くは各都道府県の上記団体内に設置されている柔整審査会が申請書を審査した上で、その内容に何らかの疑義がある際に発出されているものです。
こちらが長期間届き続けているにもかかわらず、無視をし続けて同じような請求を繰り返していると、保険者に対してその報告が行われたり、面接確認に呼び出されたり等、通常の院運営がしにくい状況になることが考えられます。万一こういった書面が届いた場合は今一度施術内容を見直す等、適切な運用を心掛けてください。
過去の療養費検討専門委員会でも、実際に千葉県国保連から「千葉県国民健康保険柔道整復施術療養費審査会における審査の現状」という形で資料の提供がなされています。
都道府県によって組織の大小はあるでしょうが、行われている内容に関しては大きな差はないかと思われます。
コチラは、あはき委員会の参考資料として提出されたものですので、申請書の様式等、一部あはきの内容も含まれていますが、多くの内容が柔道整復のものですので、今一度確認をしてみてください。
また協会けんぽでは柔道整復施術療養費の全国平均を算出し、こちらに基づきその数値がかけ離れているものに対して審査の強化をしているようです。
こちらは協会けんぽ大阪支部によって取りまとめられたデータですが、全国平均についても記載がありますので参考にしてください。
自身の提出する申請書が平均を超えていなければ全て良く、超えていれば全て悪い!ということではありません。
上記URLはあくまで全国の平均等を数値化して示されているものです。自身の院の数字と見比べて大幅な乖離がある場合は、今後施術録や来院簿等の確認を求められる可能性も
ありますので、より一層の整備が求められると言えるでしょう。
また、上記URLの数字以外にも10日以上の施術が非常に多い、部位転がしが疑われる、月初負傷・同月末治癒で初検料の算定が非常に多いなど、不自然な請求に対しては随時
確認が行われるでしょう。適切な請求を行っているにも関わらず疑義を持たれてしまった際は、いかにしてそれを晴らせるかが重要です。
会員の皆様にはぜひともA-COMSをフル活用していただき、いつ呼び出されてもその疑義が晴らせるような対策をしていただきたいと思います。
A-COMSの活用方法がわからない等、操作について不明点がある方は、お気軽に当会までお問い合わせください。スタッフ一同きっとお力になれると考えています。
情報を制する者は経営を制する、正しい情報を掴んで施術所の運営に活かしていきましょう。