マイナ保険証についてのコラムをアップしました。

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2022-11-02

2022年10月13日(木)デジタル庁の記者会見で、政府は2024年(令和6年)秋に健康保険証を廃止し、すでに保険証としての利用が始まっているマイナンバーカードに一本化する方針を発表しました。
マイナンバーカードと一体にした「マイナ保険証」に切り替えるべく、医療分野のデジタル化を急ぎ、利便性を高めるとのこと。

マイナ保険証は現在、専用のカードリーダーが設置された医療機関のみで使えますが、実際に利用できる医療機関は全体の3割ほどにとどまっています。
このため現時点ではマイナ保険証を持っていても使えない医療機関の方が多く、患者はマイナ保険証1枚だけでは対応することは出来ません。

政府はマイナ保険証の普及策として、医療機関に対し来年4月からカードリーダーの設置などを原則義務化しています。
ただ、医師らの高齢化などで対応が難しい一部の医療機関は義務化が免除されています。
厚労省によると、全国で約1万施設が義務化の対象外となるとのこと。

一方、医療機関のようなオンライン請求の仕組みを持たない我々の業界でいうと、マイナ保険証が使える施術所は現時点ではありません。
2021年12月に開催された「あはき柔整施術所における保険証のオンライン資格確認の行方に関する意見交換会」での説明によると、我々の業界では、政府が提供しているオンラインで自分の情報が見られる等の機能を有する自分専用のサイト「マイナポータル」の活用が検討されています。

例えば、施術所側で一般的に市販されている数千円のカードリーダーを用意し、患者にマイナンバーカードをかざしてもらって施術所の端末で暗証番号を入力いただきます。
本来であれば患者の全ての情報が表示されてしまいますが、これを保険証の資格確認に必要なもののみに制限して取得することで、オンライン資格確認の要件を満たせることになります。

現時点でオンライン請求の仕組みを持たない我々の業界が健康保険証の廃止に対応するには、この方法しかないでしょう。
実際のデータのやり取りをどうするのか、マイナポータルを操作できない患者をどうするのかなど解決するべき課題は残っていますが、これらが実現できれば医療機関等と同様に患者がマイナ保険証のみ持参すれば対応できるようになり、施術所側としても資格喪失や記号番号相違などの返戻が無くなるため、施術所側のメリットも大きくなりそうです。

現在厚生労働省では、マイナポータルからのデータの流れや、その取扱いフローについて検討を進めていただいているところでありますが、2021年12月に開催された意見交換会以降、目立った動きや発表はありません。
元々の厚生労働省の考えでは、来年の3月末を導入開始時期としたいとの話でしたが、スケジュール的にはかなり厳しいのではと感じています。
会員の皆様には、今後追加情報があればお知らせいたします。