『装着型サイボーグHAL®』未来のリハビリテーション

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2025-07-16

「装着型サイボーグHAL®」という言葉を聞いて、SFの世界の話だと思っていませんか?実は、この技術はすでに医療現場で実用化され、多くの患者さんの機能回復に貢献しています。大学発ベンチャー企業であるサイバーダイン社が開発したこの画期的な技術は、2025年大阪・関西万博でも展示されており、未来の医療の姿を私たちに提示しています。

〇装着型サイボーグHAL®とは?
装着型サイボーグHAL®(Hybrid Assistive Limb®)は、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる世界初の装着型ロボットです。人が体を動かそうとする際に、脳から筋肉へと伝わるごくわずかな電気信号を、皮膚に貼ったセンサーで検知します。そして、HAL®は、その信号を読み取り、人の意思に沿った動きをアシストします。

これにより、自力で体を動かすことが難しい方でも、脳からの信号に基づいた運動を繰り返し行うことが可能になります。この仕組みにより、脳・神経・筋系の機能が効果的に変化し、機能改善や機能再生が促進されるのです。医療用HAL®は、脊髄性筋萎縮症や筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む特定の神経・筋難病による歩行機能低下に対して、公的医療保険の適用が認められている高度先端医療機器です。また、医療用以外にも、介護支援や作業支援など、様々なタイプが開発・活用されています。

〇万博で体感するHAL®の未来
現在開催中の大阪・関西万博では、パソナグループとの共同出展において、この装着型サイボーグHAL®の体験展示が行われています。「身体機能が改善・再生するわたし」をテーマに、実際にHAL®の原理を体験できます。HAL®が切り拓く未来の生活や医療の可能性を、より身近に感じられる貴重な機会となるでしょう。

〇接骨院ができる地域医療への貢献
接骨院は、地域住民の健康を支える重要な拠点であり、患者さんの身体の状態をいち早く確認し、必要な情報を伝えることができます。直接HAL®を用いた治療を行うことはできませんが、HAL®に関する知識を持つことは、患者さんへの適切な情報提供や、専門医療機関への橋渡しにおいて非常に重要です。

また、接骨院に来院される患者さんの中には、ご家族に脳卒中後のリハビリテーションを必要としている方、脊髄損傷や神経疾患による運動機能の低下に悩む方、あるいは介護現場での身体的負担を軽減したいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。HAL®は、これらの課題に対する新たな解決策を提供する可能性を秘めています。先生方がHAL®の存在やその効果について知ることで、患者さんの選択肢を広げ、より専門的な治療へと繋ぐことができるのです。

〇未来の医療を見据えた地域医療を
装着型サイボーグHAL®は、サイバニクスという新しい学術領域から生まれた革新的な技術であり、人の身体機能の可能性を大きく広げます。接骨院の先生方も、この技術に積極的に関心を持ち、知識を深めることで、患者さんの希望を支え、地域医療の質の向上に貢献していきましょう。