あきらめる必要なし!?回答書にかかわる返戻の再請求方法

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2023-07-01

提出した療養費支給申請書が返戻になってしまうと、保険者入金が遅れてしまうばかりでなく、保険者から施術者へのイメージ低下につながってしまいます。

近年目立って増えてきているのが患者照会を行った上でなされる「患者回答との内容相違」という返戻です。

受領委任の取扱いにおいて患者委任欄に署名をいただきますが、柔道整復の請求の都合上、この署名をいただいた後に療養費支給申請書に施術内容を記載するということがあると思います。
厚生労働省の方もこういう実態で運用されているということは把握していますので、保険者に対して提出された療養費支給申請書の内容と、患者さまから聞き取った内容が一致しているかどうか
しっかりチェックしてくださいね、という指導をしています。

この患者回答との内容相違には様々な問題があり、患者さまが施術内容を正確に回答することが難しくなってきています。
内容を覚えておらず、うろ覚えの状態で記載し提出されてしまうと、当然のことながら内容が相違している状態になりますので返戻となってしまいます。

もう1つは施術者からの説明において、患者さまが今回受けた施術が保険適用施術なのか、それとも自費施術なのか、ここを患者さまがしっかり把握されてないと、誤った回答につながることがあります。
こういったことを防ぐために重要になってくるのは、患者さまへの説明(医科でよく言われるインフォームド・コンセント)をしっかりと行うということです。

この時に、まずどういったものが接骨院で健康保険の適用になるのかどうかということ、それからどの施術が保険適用で、どの施術が保険適用外であるのかということ、
これらをしっかりと説明することが最も重要です。
次に重要なこととしては、これらの内容をしっかりと記録しておくということです。
患者さまから聞き取った内容をしっかりと施術録に記録しておくことで、万一患者さまが誤った回答をしてしまった時でも、この施術録をもとに返戻に対してしっかりと回答ができるということにつながります。


万一返戻になってしまった場合、仮に患者さまに電話等で連絡がつく状態、もしくはまだ該当の患者さまが院に通っている等で連絡が取れる状態の場合は、一度患者さまにどのように回答されたのか
詳細を聞き取る必要があります。
その上で、院で提出されている申請書の内容を再度お伝えし、患者さま自身に納得していただけたのであれば、申請書の摘要欄に「上記の施術内容に相違ありません」というような内容の一文をいただいて、
そこに患者さま自身の署名をいただければそれがベストな証明となります。

万一すでに患者さまと連絡がつかない場合、院側で処理しなければならないということになります。
そういった時には「施術内容確認書」というものが効力を発揮します。
A-COMSでは、新規で負傷した患者さまに電子的に署名をいただいてシステムから施術内容確認書を直接出力することができます。

上記は初検時に負傷日、負傷名、負傷原因、相談支援内容等をヒアリングして入力いただくことで作成できる書類となります。
こちらには患者さま自身が内容を確認して署名する欄を設けておりますので、初検時の患者さまの意思表示の確認や、療養費に関する説明とその請求について同意をいただいているという証拠になります。
また、保険適用のルールを説明するために使用したり、持ち帰ってもらうことで患者調査(回答書)に正確に回答していただくためのツールとしても使用できますし、
返戻時に療養費支給申請書に添付して提出いただくと申請書が正しい内容であるという証明にもつながります。

また患者さまと連絡がつかない上、前述の施術内容確認書も無いということであれば、証拠の確度としては上記に比べると低くはなりますが、施術者が作成した施術録の内容に基づいて、
何月何日に患者さまがご来院されて、こういった検査をし、こういった説明をした上で保険適用として判断して請求をしています、というようなことを摘要欄に記載して提出するというのが最後の方法になります。

こういった返戻があったときに再提出せずに諦めてしまう施術者がいます。
返戻というのは修正や回答を前提としたものですので基本的に再提出ができるものだと理解しておいてくださいね。