訪問鍼灸・マッサージ事業の開業方法は、接骨院と同様にさまざまで、法人として施術所を開設し訪問鍼灸・マッサージ部門を作る場合や、訪問専門として個人開業する場合、フランチャイズ(FC)に加盟して開業する場合等があります。
特に、最近ではフランチャイズ加盟するケースが増えているように感じます。訪問鍼灸・マッサージは、超高齢化社会の影響で市場拡大することが予想されており、新規事業をお考えの方には魅力的に見えるでしょう。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を持たない方でも、施術者を雇用すれば開業でき、経営サポートも受けられるため、フランチャイズに加盟することを検討されるようです。
フランチャイズと聞くと、なんとなく「簡単にできそう」「未経験でも始めやすい」といったイメージがあるかもしれませんが、メリットもあれば当然デメリットも存在します。
〇メリット
・本部から経営ノウハウ提供、経営指導が受けられる
個人で開業する場合は、施術・集客・営業など、すべて経営者(または施術者)が行いますので、開業までに時間と労力がかかります。しかし、フランチャイズの場合、すでに他のエリアで売上実績を獲得している場合がほとんどです。そのため、経営ノウハウがフランチャイズ本部に集約されています。「こうすると成功しやすい・失敗しやすい」といった事例も、過去の加盟店の実績から蓄積されているため、加盟店はそれらを元に経営支援を受けられます。
・人材採用のサポートがある
訪問鍼灸・マッサージを開業するには、当然、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の資格を持った施術者が必要です。ご自身が有資格者であれば問題ありませんが、そうでない場合は新しく施術者を雇用しなくてはなりません。フランチャイズに加盟していると、本部が採用サポートを行ったり、有資格者の派遣サービスを設けたりしているケースがあります。
〇デメリット
・加盟金・ロイヤリティが発生する
フランチャイズよって金額は変わりますが、訪問鍼灸・マッサージのフランチャイズは加盟料として100~500万円、ロイヤリティ(ランニングコスト)として売上げの10%~25%程度を支払う必要があります。毎月一定金額を支払う方式や、売上や利益に比例して金額が変動する方式などがありますが、売上が上がらない場合でも、ロイヤリティの支払い義務は発生します。
・自由度が低い
フランチャイズとして、同じ品質のサービスを提供できるように、接客・運営マニュアルを設定しているのも、フランチャイズの大きな特徴です。逆に言えば、本部が決めたルールやマニュアルに沿った運営をしなければならないので、その分「自由度」は低くなります。フランチャイズは、ブランドイメージの保守・経営効率の向上のため、多くの制限を設けていることがあります。自分の好きなように経営を行いたい方にとっては、デメリットになり得ます。
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フランチャイズ加盟は、独立・開業の目的によって向き・不向きのある方法です。経営サポートを受けながら事業を行いたい、自力で集客する自信がないという方は、フランチャイズ加盟を検討してみることをオススメします。一般的なフランチャイズであれば、ブランド力が高ければその認知度や知名度を経営に活かすことができるでしょう。
しかし、訪問鍼灸・マッサージ事業ではケアマネージャーとの関係性の構築が一番重要になるので、ブランド力はあまり関係ありません。フランチャイズ本部から運営ノウハウ教えてもらっても、実際に営業・施術を行うのは経営者や先生方です。訪問鍼灸・マッサージ事業が成功するか失敗するかは「自分次第」であることは忘れずにいてください。
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