現在、すでに接骨院を経営されている先生方が、訪問鍼灸・訪問マッサージを開業するにはどのような手続きが必要なのでしょうか。今回は、訪問鍼灸・マッサージの開業に関する申請や手続きの方法を確認していきます。
〇必要資格
訪問鍼灸、訪問マッサージですから、もちろん「はり師・きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」の資格が必要となります。経営者ご自身が施術者として開業する場合は、経営者の方が有資格者でなければなりませんが、有資格者を雇用する場合は、経営者が「はり師・きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」の資格をお持ちでなくても、開業自体は可能となります。
〇開業方法
開業にあたっては、さまざまな手続きが必要になります。
保健所・・・「施術所開設届」
地方厚生局・・・「受領委任の取扱いに係る申出」
訪問かどうかにかかわらず、新たに「はり・きゅう・あん摩マッサージ」事業を始める場合、「施術所開設届」の提出が必要になりますが、すでに「鍼灸接骨院」等で開業されている場合は不要、もしくは種別の追加で対応することができます。
その際、受付等は共有することが可能ですが、はり・きゅう・あん摩マッサージに対する6.6㎡以上の面積を有する専用の施術室が必要になります。ただし、一人施術特例として、同一の施術所で「はり・きゅう・あん摩マッサージ」と「柔道整復」の施術を行う場合において、従事する施術者が1人であり、かつ、双方の免許を有する場合には専用施術室の設置を1室とする(共有する)ことも可能です。
訪問鍼灸・訪問マッサージで保険施術を行う場合は、受領委任の取扱いに係る申出に必要な書類を、地方厚生局に提出する必要があります。
また受領委任の取扱いでは、施術管理者の登録記号番号(10ケタ)を使用しますが、各保険者等が従来使用していたコードを引き続き使用する又は新たに独自のコードを付番し使用することがあります。その際、その当該コードは、レセプトや総括表の「機関コード」に記載するよう求められる地域もあります。
〇生活保護の方への対応
生活保護の方の対応としては、受領委任とは異なる対応が必要となります。生活保護の方を保険適用で施術する場合は、市役所等にある生活保護の所轄担当課に届け出を行います。生活保護法における「指定申請書」「誓約書」「あはき免許証の原本」が必要です。
※税務署への「開業届」は必要?
今回は、すでに接骨院を経営している中に訪問鍼灸・訪問マッサージ事業を追加する、という形です。税務署に提出した開業届の内容が変わると再提出が必要になる!?とお考えの方も多いですが、変更の届出が必要になるのは、基本的に納税地の異動・変更のみです。原則として届出の必要はありません。
以上の通り、訪問鍼灸・マッサージを新たにはじめる場合は様々な手続きが必要ですが、アトラ請求サービスにご入会いただければこの書類手続きもわかりやすく丁寧にサポートさせていただきます。
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