接骨院での休暇取得、どうしてますか?【接骨院の人事労務対策②】

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2024-09-04

接骨院に限らず、社会で働いている方々にとって『休日』は重要な要素です。接骨院では、一般企業のような「土日休み」では無かったり、スタッフ数によっては「休んでもらっては困る!」という状況もあるでしょう。しかし、法律で定められた従業員への「休日(休暇)」の付与は企業(施術所)側の義務となります。

〇主な休日(休暇)の種類
・法定休日
企業が労働者に与えなければならない休日です。1週間に1日、または4週間を通じて4日の法定休日を付与することが義務付けられています。

・所定休日
企業側が独自に定めた休日を「所定休日(法定外休日)」といいます。土曜日と日曜日の週休2日制を採用しているところは、土曜日が所定休日となっているのではないでしょうか。

・年次有給休暇
年次有給休暇は、1年毎に有給の休暇を付与する制度のことです。6ヵ月以上継続して雇用されており、かつ所定労働日(該当の労働者が勤務すべき日数)の8割以上出勤している労働者に対しては、雇用形態にかかわらず有給休暇が付与されます。
有給休暇の取得は、労働者の正当な権利です。休暇取得の理由によって有給を拒否する、有給休暇を取得すると賞与が減る等、有給取得の際に企業側が労働者の不利益になるようなことを行ってはいけません。

〇働き方改革による有給取得義務
2019年4月から、年間10日以上有給休暇が付与される従業員を対象に、年間5日間の有給休暇取得が義務付けられています。これは、従業員ではなく事業主に対する義務です。この義務は罰則付きの規定であり、会社が必要な措置を取らなかった場合、違反者1人あたり最大30万円の罰金が発生します。そのため、本人から有給休暇申請がない場合は、「確実に」有給を消化してもらえるよう、対象の従業員に有給休暇取得を促していかなくてはなりません。

日本人特有なのか、有給を何かあった時のために残しておきたい、休むと周りに迷惑をかける・・・と、お思いの先生方もおられることでしょう。しかし、上記の通り、年間5日間の有給取得を徹底しないと、罰則の規定がある以上、有給を付与しない(取得しない)わけにはいきません。
代わりにと言っては何ですが、有給を取得する時期の決め方や申請方法について、就業規則の中でルールを定めることは可能です。

〇計画年休
計画年休とは、労使協定に基づき、企業側が労働者の有給休暇取得日をあらかじめ決められる制度です。有給休暇の付与日数から5日間を除いた日数を指定できます(例:有給が10日間付与されている場合は、5日間分は企業側が休暇日を指定できる)。

簡単に言えば、労働者に対して半強制的に有給を取得させることができる制度です。計画年休は、労使協定を結ぶことで成り立つ制度であり、導入時にはいくつかの手続きが必要になります。また、一度決めた有給の日程は会社都合で変更ができないというハードルはありますが、うまく活用すれば、院の運営に差し障りない形で有給を消化してもらいやすくなります。
計画年休を取り入れる場合は、経営者側だけでなく従業員も制度について正しく理解する必要があります。

働き方改革の推進に伴い、スタッフが安心して働ける環境づくりが求められてきています。接骨院での労働環境も、しっかり考えていく必要があります。


参照:接骨院での有給休暇取得の現状|アトラアカデミー