「なってほしい人材」にするための人事評価制度【接骨院の人事労務対策⑤】

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2024-09-25

一昔前までの接骨院では、スタッフが自身の成長のために目標や成長意欲を持って技能を高めていく、ということが当たり前で、院長先生も「見て学びとれ」というスタンスで、スタッフの育成は『本人任せ』になっていました。しかし、それでは各スタッフの方向性が揃わず、「院が求める人材になってもらう」ことはできません。施術者の採用難である今、簡単に「ダメだったら次の人」ともできません。

院としての育成の仕組みを構築するだけではなく、スタッフに対する評価を客観的に示し、成長に向けた助言を行うことで、育成から定着を促すことが必要です。

〇人事評価シートの活用
人事評価シートとは、その名前の通り、人事評価の評価項目をまとめたシートのことです。
接骨院のスタッフとしての業務で意識、実践すべき目標や自己評価、評価者(上長)による評価などを記載します。

人事評価シートを活用する目的は、主に「人事評価の公平性の担保」「社員の成長の促進」「社員のモチベーション向上」となります。
給与や昇進は、人事評価に基づき決まるため、具体的な成果や数値に基づく事実などの客観的な情報から、スタッフを評価するべきなので、人事評価の透明性を高め、公平性を保つことが求められます。
また、人事評価シートに記載された評価基準・評価項目を確認することで、スタッフは「優先的に身に付けるべきスキル」や「改善すべき部分」が何かを把握できます。
人事評価を適切に行い、成果を上げれば高く評価し昇給・昇格につなげることができれば、スタッフのモチベーション向上が期待できます。

〇フィードバック面談
人事評価シートを活用しても、自分のことを客観的に見て課題認識できないスタッフもいると思います。そのため、評価後に「フィードバック面談」を行うことで、院長(上司)から評価とその根拠を具体的にスタッフに伝え、今後の課題や行動計画を練ることができます。
また、フィードバック面談は、院長とスタッフがコミュニケーションを取り、双方の認識を共有するためでもあるので、双方が一方的に話したり、感情的になったりしないように注意しましょう。

フィードバック面談は、人事評価の結果を通知するだけでも、スタッフの悪い評価に対する叱責の場でもありません。院長とスタッフとで、評価結果を共有し課題解決について考える場です。人事評価とフィードバック面談を通して適切な評価を行えば、スタッフのモチベーションや意欲を向上させることができます。
もしも、今後、院の規模が大きくなれば、院長の目が届く範囲で経営・マネジメントは困難になります。人事評価制度を整えておけば、分院長が各院のスタッフの育成・処遇改善が行え、接骨院全体の活性化にもつながっていくでしょう。

参照:スタッフ育成・定着に欠かせない評価ルール|アトラアカデミー