2025年に開催される大阪・関西万博では、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、最先端技術や未来社会のビジョンが提示されます。医療分野では、特に「再生医療」に関する最先端の研究成果や技術が紹介される予定です。iPS細胞を用いた臓器再生や、遺伝子治療による難病克服など、未来の医療を垣間見ることができるでしょう。
再生医療と万博、一見、接骨院との関係は少なそうに思えますが、今後の地域貢献に深くかかわる可能性があります。今回は、万博で示される再生医療の未来と、接骨院の先生方が知っておくべき基礎知識、そして地域医療への貢献についてお伝えします。
〇再生医療の基礎知識
再生医療とは、幹細胞や成長因子などの力を利用して、損傷した組織や臓器を修復・再生する医療技術です。従来の治療法では難しかった機能回復が可能となり、患者のQOL向上に大きく貢献すると期待されています。
具体的には、
・幹細胞や免疫細胞などを患者様に移植し、組織や臓器の修復を促す「細胞治療」
・遺伝子を操作し、病気の原因となる遺伝子を修復したり、機能を補う「遺伝子治療」
・生体材料や細胞を用いて、人工的に組織や臓器を作製する「組織工学」 など
これらの技術は、変形性関節症やスポーツ外傷、難病治療など、幅広い分野での応用が期待されており、将来的に接骨院の先生方が患者のQOL向上に役立てられる可能性も考えられると思っています。
〇接骨院の先生方が知っておくべきこと
接骨院では、再生医療を用いた治療を行うことはできませんが、再生医療の概念を応用した施術を提供したり、医療機関と連携できる可能性はあります。
接骨院に来院される方の中には、現代の医療や施術での対応に限界がある方や再生医療に興味をお持ちの方もいるかもしれません。万博をきっかけに、再生医療への関心がさらに高まることも予想されます。先生方が再生医療に関する正しい知識を持つことで、患者に適切な情報提供や医療機関への紹介を行うことも可能となると考えられます。
〇患者の健康寿命延伸へ
再生医療は、患者様の健康寿命延伸に大きく貢献する可能性を秘めています。接骨院は、地域住民の健康を支える重要な拠点ですので、患者の身体の状態をいち早く確認し、最新医療情報の提供や医療機関への紹介を行うことで、さらに地域医療に貢献できるようになっていきたいですね。