2025年の大阪・関西万博では、「未来の健康」をテーマに、最先端の医療・健康技術が集結します。その中で、興味を引かれる展示のひとつに「顔の映像から血糖値を測定する技術」があります。
〇万博で注目のヘルスケア技術
わざわざ採血をしなくても、顔をカメラに映すだけで血糖値を推定できる。そんなSFのような話が、実際に現実として動き始めています。これは、顔の皮膚のわずかな色の変化や血管の動きをAIが解析し、体内の変化を読み取るというもので、非接触・非侵襲の測定技術として注目されています。
〇手技とテクノロジーの共存
接骨院の現場では、私たち施術者は患者さんの状態を「見る・触れる・感じる」ことで評価してきました。しかし、こうした技術が一般化すれば、今後は「目に見えない変化」をも数値化して把握することが可能になります。たとえば、日頃の健康管理が苦手な患者さんでも、自宅でカメラに映るだけで血糖値や他のバイタルサインが測定できるようになれば、体調の変化に早く気づくきっかけになるでしょう。
〇接骨院でも活かせる可能性
今後こうした技術が接骨院にも導入されるようになれば、施術前の体調確認や生活指導の精度も高まり、より安心・安全な施術につながる可能性があります。もちろん、我々の「手技」が不要になるわけではありません。テクノロジーは、柔道整復術の本質を変えるものではなく、「よりよい施術のためのツール」です。むしろ、こうしたデータを「補助情報」として活用することで、対話や検査による観察力にさらに厚みが出るのではないでしょうか。
万博では、この他にも音声で健康状態を案内するロボットや、手のひらをかざすだけで体組成が測定できる機器など、健康をより身近に、楽しく管理できる仕組みが多数紹介される予定です。
これまで「病院で受けるもの」だった健康チェックが、「日常の中で自然にできること」へと変わりつつあるのを感じます。介護や福祉の現場でも、こうした技術の導入が進めば、ご利用者の体調管理がよりスムーズになり、職員の負担も減るかもしれません。そして何より、「健康でいられる時間」を増やすことにつながるはずです。
〇変わるのは「患者との関わり方」
未来の健康管理は、いつのまにか私たちのすぐそばにやってきています。そんな「ちょっと先の当たり前」を、万博で体験してみるのも面白そうですね。