今年はどの型?インフルエンザの型別特徴と予防のポイント

ブログ
2025-10-29

毎年冬になると流行するインフルエンザ。今年はA型が流行しているらしい、インフルエンザに2回かかった、といった話を耳にする機会も多いのではないでしょうか。

実は、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、そしてD型の4種類が存在します。しかし、私たち人間の間で毎年流行し、社会的な影響が大きいのは主にA型とB型です。これらの型は症状や流行の時期が異なるため、その違いを理解しておくことは、患者様への適切なアドバイスや院内での感染対策を考える上で非常に重要です。

〇インフルエンザA型とB型の特徴と違い
インフルエンザA型は、ヒトだけでなく、鳥や豚などの動物にも感染するウイルスです。このため、動物の体内でウイルスの遺伝子が大きく変化する「大変異」を起こすことがあり、過去には新型インフルエンザとして世界的な大流行(パンデミック)を引き起こしてきました。毎年冬の初めから流行のピークを迎えることが多く、突然の38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛といった全身症状が強く現れるのが特徴です。のどの痛みや咳、鼻水も伴います。ウイルスの変異が激しいため、一度感染しても免疫が機能しにくく、同じ年にA型の異なる亜型に再び感染する可能性もあります。

一方、インフルエンザB型は、A型と異なり、ヒトにのみ感染が確認されているウイルスです。A型に比べて遺伝子の変異が少ないため、大流行につながることは少ないとされています。A型が落ち着いた後、冬の終わりから春先にかけて流行のピークを迎えることが多く、A型ほど高熱が出ず、微熱程度で済むこともあります。しかし、A型にはあまり見られない下痢や腹痛、吐き気などの消化器症状を伴うケースが多いのが特徴です。遺伝的に安定しているため、一度感染すると比較的長期間免疫が持続すると考えられていますが、A型とは全く異なるウイルスであるため、同じシーズンにA型とB型の両方に感染する可能性があります。

インフルエンザC型は、A型やB型と比べて症状が軽いことがほとんどです。発熱しても38℃程度で、2日ほどで解熱することが多く、風邪と見分けがつかないケースも珍しくありません。一度感染すると長期間免疫が持続するため、大人がかかることは稀で、主に免疫のない子どもの間で流行することが多いです。ただし、C型は季節性インフルエンザの流行とは異なり、通年性で散発的に流行します。
インフルエンザD型は、ヒトに感染することはなく家畜にのみ感染します。

〇感染対策と予防の重要性
地域の方々が集まる接骨院だからこそ、先生方が率先してインフルエンザの注意喚起や予防法を患者様に伝えることは、地域全体の健康維持に大きく貢献します。何より、先生ご自身がインフルエンザに感染すると、施術ができなくなり院の運営に大きな支障をきたします。日頃から手洗いやうがい、マスクの着用を徹底し、十分な睡眠と栄養を摂るなど、体調管理に努めましょう。
もしうがいが難しい場合は、こまめな水分摂取も有効です。これは、インフルエンザウイルスは胃酸の中では生存できないため、口腔内のウイルスを胃に流し込むことで、気道粘膜でのウイルス増殖を抑える効果が期待できるからです。また、インフルエンザの予防接種も非常に重要な対策となります。

接骨院は、患者様の健康をサポートする身近な存在です。先生方ご自身の健康を守り、正しい知識を共有することで、地域の感染症予防に貢献していきましょう。