膝の痛み、あきらめない。クリニックと施術所を結ぶ新治療ルート

野中腰痛クリニック、青山レナセルクリニック、あさくらデンタルクリニック、シンクレア銀座クリニックとの提携に続き、このたび新たに「クリニークハル 大阪梅田」(https://www.clinique-haru-osaka.com/)との提携が決定いたしました。

今回の提携は、これまで私たちの医療連携に足りなかった 「膝関節領域への専門的アプローチ」 を提供できるようになる、非常に重要な一歩となります。
クリニークハル大阪梅田は、変形性膝関節症を中心に、膝の再生医療への専門性を強みにした整形外科クリニックです。
日本整形外科学会専門医の西田院長が診療を担当し、「手術に頼らない関節治療」に軸足を置きながら、適切な診断と個別性の高い治療選択肢を提供しています。

特に注目すべきは、膝関節症に対する再生医療的アプローチが複数ラインナップされている点です。
同院では、患者の症状の種類や進行度に応じて、手術に踏み切る前の段階で選択できる非手術治療を幅広くそろえており、施術所からの紹介先として非常に相性の良い体制が整っています。
まず、同院の再生医療の中核をなす PRP療法 は、患者自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を、そのまま患部に注入する治療法です。

PRPには血小板が高濃度で含まれており、放出される成長因子によって組織の修復を促し、痛みを緩和します。
患者さまご自身の血液成分のみを使用するため、副作用のリスクが低いという利点があります。
「保存療法では限界を感じるが、まだ手術は避けたい」という患者さまに適した、自然治癒力を活かすアプローチです。
また、より進行したケースには 自己脂肪由来幹細胞治療 が選択肢となります。
これは患者自身の脂肪組織から幹細胞を抽出し、関節内に注入する治療で、軟骨の修復や炎症の抑制に寄与するとされています。
同じ脂肪組織から採取した細胞を利用する SVF治療(間質血管細胞群注入) では、幹細胞だけでなく血管内皮系の細胞なども含む細胞集団をそのまま活用できるため、関節周囲の炎症・血流・痛みに多面的に働きかける点が特徴です。

さらに、ACRS療法(自己血サイトカインリッチ血清療法) も導入されています。
これは採血した血液を特殊な条件で処理し、抗炎症性サイトカインや修復因子を高濃度で抽出した血清を投与する方法で、従来のPRP療法よりも炎症制御を重視したアプローチとして位置づけられています。
膝の腫れ・熱感・動作時痛など、「炎症が主体の症例」に対して特に有用とされています。

これらの治療はいずれも、膝を切開する手術ではなく、患者自身の組織や細胞を活用して回復力を引き出すという点で共通しており、日常生活を大きく変えずに改善を目指したい患者にとって大きなメリットとなります。
そして、柔道整復や鍼灸の施術と組み合わせることで、痛み・可動域・日常生活動作に対するフォローを継続できるため、施術所にとっても従来にはなかった「膝の専門的な紹介ルート」が形づくられることになります。

今回の提携によって、柔道整復・鍼灸の現場でたびたび遭遇する「膝の痛みは施術では一定良くなるが、著効しないケース」、「変形性膝関節症の進行が疑われ、医療的評価が必要なケース」に対し、安心して紹介できる“膝の専門窓口”が整備されます。

施術所のケア → クリニックでの評価・治療 → 再び施術所でのフォローという循環が可能になることで、患者のQOL向上と臨床の一貫性が大きく高まることが期待されます。
療養費制度が厳しさを増す中、施術者が医学的視点で膝疾患の鑑別や紹介判断ができることは、施術の信頼性・請求の妥当性の双方に直結します。
クリニークハル大阪梅田との提携は、「膝」という大きな課題領域に新たな道筋をつくるものです。

今後は、症例共有などを通じて、皆さまに膝分野の最新知見をお届けしてまいります。
連携先の紹介動画は順次アップしてまいりますので、A-COMSのメニュー内にある「最先端医療連携」より、ぜひご確認
いただければ幸いです。