2021年12月21日開催、オンライン資格確認意見交換会の解説

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2021-12-28

2021年12月21日(火)に衆議院第二議員会館(東京都千代田区)において、「あはき柔整施術所における保険証のオンライン資格確認の行方に関する意見交換会」が開催されました。当該意見交換会は、厚生労働省保険局医療介護連携政策課を交えての開催となっており、当会もレセコンメーカーとして参加させていただきました。

現在、医療機関等では、保険証のオンライン資格確認の本格運用が始まっています。オンライン資格確認とは、医療機関等の窓口でマイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等により、オンラインにて資格情報を確認する仕組みのことです。

しかしながら、あん摩、はりきゅう、柔道整復施術所については、現時点で保険証のオンライン資格確認の導入時期は未定となっており、医療機関等の導入状況を踏まえて、どのように導入するかの構想が共有されています。

オンライン資格確認の運用が始まっている医療機関等では、すでに運用されていた「オンライン請求」の回線を利用し、全国民のデータが入っている「オンライン資格確認等システム」にアクセスして患者の資格情報を取得する仕組みで運用されています。

これに対し、あん摩、はりきゅう、柔道整復施術所においてはこの「オンライン請求」の仕組み自体が現在まさに検討されているところであり、現時点ではまだ存在しないため、医療機関等と同じ仕組みで進めることは困難です。

オンライン請求が進めばおのずとオンライン資格確認も進むことになりますが、あん摩、はりきゅう、柔道整復施術所におけるオンライン請求については課題も多く、すぐに整備することが難しい状況にあります。また、医療機関等と同じ仕組みで運用する場合、施術所側で高額な顔認証付きカードリーダー端末の負担や、専用回線のランニングコストの負担が必要となります。

あん摩、はりきゅう、柔道整復施術所におけるオンライン請求の完成を待たず、さらに施術所側の設備投資の負担を出来る限り抑えながら、少しでも早くオンライン資格確認の仕組みを導入できないか、という点を厚生労働省において検討いただいていたところです。

そこで活用が検討されているのが、政府が提供しているオンラインで自分の情報が見られる等の機能を有する自分専用のサイト、「マイナポータル」です。例えば、施術所側で一般的に市販されている数千円のカードリーダーを用意し、患者にマイナンバーカードをかざしてもらって施術所の端末で暗証番号を入力いただきます。

本来であれば患者の全ての情報が表示されてしまいますが、これを保険証の資格確認に必要なもののみに制限して取得することで、オンライン資格確認の要件を満たせることになります。非常にいい考えですが、実際のデータのやり取りをどうするのか、マイナポータルを操作できない患者をどうするのかなど、もちろん課題は残っています。

しかしこれらが実現できれば、医療機関等と同様に、患者がマイナンバーカードのみ持参すれば対応できるようになり、施術所側としても資格喪失や記号番号相違などの返戻が無くなるため、かなり有用性は高くなるでしょう。

参加していたレセコンメーカーの方々からも様々な質問はありましたが、マイナポータルを活用することに対する異論等は一切ありませんでした。国民の利便性向上、そして全ての施術所においても平等に被保険者の資格確認が行える大変有難い取り組みであり、導入を検討していただいている厚生労働省の担当者様には心より敬意を表します。

現在マイナポータルからのデータの流れや、その取扱いフローについて検討を進めていただいているところであり、そこに重大な問題等が無いことが前提ですが、2023年の3月末には導入開始時期としたいとの話でしたので、実現を楽しみに待ちたいと思います。