柔道整復の視点から見た糖尿病性足病変〈足の健康③〉

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2025-02-19

柔道整復師の観点から、糖尿病性足病変について解説します。

〇糖尿病性足病変とは?
糖尿病性足病変は、糖尿病が原因となり、足に様々な障害が現れる状態を指します。足病学の観点から見ると、糖尿病性足病変は、神経障害、血管障害、そしてこれらの複合的な影響によって生じる、非常に複雑な疾患です。

〇糖尿病性足病変の原因・症状
糖尿病性足病変は、糖尿病が原因となり、足に様々な障害が現れる状態です。高血糖状態が長期間続くことで神経や血管が障害され、さまざまな症状が現れます。
主な症状としては、以下の通りです。
・足の感覚が鈍くなり、痛みを感じにくくなるため、小さな傷や異物に気づきにくくなる。
・小さな傷でもなかなか治らず、感染を起こしやすくなる(血流が悪くなり、傷口の修復が遅れるため)。
・足の関節が変形し、歩行が困難になる。
・足に深い傷ができ、なかなか治らない(潰瘍)。
これらの症状は、放置すると最悪の場合には壊疽(えそ)に進み、下肢切断に至ることもあります。

〇柔道整復師ができること
柔道整復師が糖尿病性足病変の患者に行えるケアは、(医師との連携・指示に基づき)多岐にわたります。血行を促進し、むくみを解消するためのマッサージや、関節の運動療法で関節の拘縮を防ぎ、関節の可動域を維持すること、包帯やサポーターで患部を保護することも、ケアとして有効だと思います。
また、足への負担を軽減するために、歩容状態の確認や歩行指導、足に合った靴の選び方のアドバイスを行い、症状の悪化を防ぐためのサポートも可能でしょう。

〇柔道整復ケアの重要性
柔道整復でのケアは、単に症状の緩和だけでなく、糖尿病性足病変の進行を抑制することができると考えます。糖尿病性足病変の治療には、さまざまな医療従事者が関わるため、それぞれの役割を理解し、患者の状態に合わせて適切なケアを提供することで、患者の生活の質の向上に貢献していただけたらと思います。