このたび、アトラグループでは「野中腰痛クリニック」(https://nonaka-lc.com/)との提携を開始いたしました。
今回の取り組みは、単なる「医療機関との紹介連携」にとどまらず、施術所における「臨床の質」や「患者満足度」の
向上、そして将来的な制度対応力の強化につながるものと期待しています。
また、これは柔道整復・鍼灸の臨床現場において、最先端医療との連携モデルを模索する第一歩であり、今後は対応医療
機関を順次拡大していく予定です。
本コラムでは、その背景とともに、野中腰痛クリニックの特長、そして本提携によって私たちが目指す「現場支援のあり方」についてご紹介いたします。
野中腰痛クリニックは、整形外科的な手術を前提とせず、「切らずに治す」ことに特化した、腰痛専門の自由診療クリニックです。MRIなどの画像評価に加え、患者ごとの状態を丁寧に診察したうえで、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症・坐骨神経痛などに対し、複数の治療選択肢を提示しています。
なかでも特徴的なのは、いわゆる「日帰り椎間板治療」の分野において、国内ではまだ数少ない技術や設備を積極的に導入している点です。国内で唯一の取り扱いであるディスクシール治療(Discseel®Procedure)や、レーザー治療(PLDD法)、オゾン治療(PODT法)、さらには自家血液由来の血小板を利用した再生医療的アプローチ(DRT 法、PRP 療法)など、多様な治療法を組み合わせながら、一人ひとりの状態に最も適した方針を選択する医療体制が整っています。
治療は完全予約制で、原則として検査・診察・施術までを1日で完結する流れとなっており、遠方から訪れる患者にも配慮された運用がされています。また、患者が保有するMRI画像の事前相談など、通院前の判断支援も丁寧に行われており、診療の質と患者満足度の両立が追求されています。
私たちアトラグループは、こうしたクリニックとの連携を通じて、施術所が抱える「医療的な対応が求められるケース」に対して、適切な相談・紹介ができる体制づくりを進めてまいります。
単に「紹介して終わり」ではなく、紹介後の評価や経過情報を踏まえて再び施術所でのケアへとつなげる、いわば「循環型の支援モデル」の構築を目指しています。
今回の提携により得られる医学的知見や症例経験は、今後、会員の皆様に向けて研修や動画などを通じて共有していく予定です。たとえば、MRI画像の見方、椎間板疾患と筋膜性腰痛の鑑別、あるいは施術記録と医療評価の整合性といった観点は、柔道整復や鍼灸の現場で今後ますます求められるリテラシーになるでしょう。
現在、柔道整復・鍼灸の保険請求をめぐる制度は、大きな変革の真っ只中にあります。
一部の保険者の目線が「施術行為の正当性」から「医療的な必要性」へとシフトしつつある中で、私たち現場に立つ施術者が、より医療的な視点を持ち、連携を含めた柔軟な判断力を養っていく必要性が高まっています。
そのような中で、画像評価や診断を踏まえた施術の正当性をどのように現場から説明できるか――。
これは、請求代行の支援範囲を超えて、制度に即した臨床づくりそのものに関わる課題です。
今回の提携を機に、私たちはアトラ請求サービスを単なる代行業務にとどまらない、「現場を支える伴走者」として再定義していきたいと考えています。そのために今後も、こうした専門性の高い外部パートナーとの連携を深めながら、臨床・
制度・経営の三軸を支える支援のあり方を追求してまいります。
詳細な取り組み内容は、今後の会報やウェビナー等で順次ご紹介してまいりますので、ぜひご期待ください。
なお、野中腰痛クリニックの理事長である野中 康行先生には、本年9月20日(土)開催予定の「アトライノベーションラボ2025 in TOKYO」にて、ご講演いただくことが決定しています。
イベントの概要・参加申込はこちら ⇒ https://www.hone-u.com/innovation-lab/
最先端医療に触れることができるまたとない機会となりますので、お時間が許す方はぜひご参加いただけますと幸いです。